人材派遣って、契約社員やアルバイトとは何が違うの？と思っている方もいるかもしれません。

ここでは、まず「人材派遣ってなんなのか」とか、「どういう人に派遣が向いているのか」などをご紹介します。

人材派遣とは？

人材派遣と言っても、登録型派遣、紹介予定派遣、常用派遣と3つ種類があります。

全てに共通して言えるのは、正社員・契約社員、アルバイト・パートと違って、自分を雇用しているのが「派遣会社」だということです。

例えば、「派遣会社A」に所属して、「一般企業B」に派遣されて働くとします。会社で、正社員・契約社員、アルバイト・パートの方が働いている場合、その人たちを雇用しているのは「一般企業B」です。これを、直接雇用と言います。

派遣の場合は、「派遣会社A」と「一般企業B」が契約していて、「一般企業B」がお金を支払うのは、「派遣会社A」となります。そして、企業から派遣会社へ入ったお金のうち、派遣会社のマージンを抜いた金額が派遣スタッフの給料となり、派遣スタッフへのお給料は「派遣会社A」から支払われます。

派遣の仕事はこんな人に向いている

アルバイト・パートと、派遣スタッフの大きな違いとしては、時給の設定金額が違う、というところがあります。基本的にはアルバイト・パートより、派遣スタッフの方が、時給が高いことが多いです。同じ会社で働いていても、数百円の差があることはよくあります。

正社員・契約社員との違いとしては、派遣スタッフには「サービス残業」がない、という点が挙げられます。残業があったとしても、派遣スタッフは時給制なので残業分もお給料がしっかり支給されます。

派遣の時給はちょっと高めなので、そもそも「派遣スタッフの人は残業しないでほしい」という会社もあります。また、派遣先で何かトラブルがあったとしても、派遣会社に相談すれば間に入って取り持ってもらうことができます。

「もともと正社員で働いていたけど、人間関係やサービス残業で疲れてしまった…」
「アルバイトで働いていたけど時給が低くて…」
「子供がいるので今は責任ある仕事にはつきにくい…」

という方には、派遣スタッフとして働くのが向いているかもしれません。

労働者派遣法改正

正規雇用と非正規雇用の差を縮小しようという「働き方改革」の一環で、「同一労働同一賃金」の実現を目指して法改正が行われました。

大きく変わった点についてご紹介します。

マージン率等の開示

今まで、派遣先の一般企業が派遣会社にいくら支払っていて、そのうちの何%が派遣スタッフに支払われているのかを開示することは義務付けられておらず、開示していない派遣会社がほとんどでした。

これを、インターネット等で開示することが義務となりました。研修や福利厚生などがしっかりしていれば、派遣会社がマージンを他社より多くとっていても、その維持費のためだとわかります。

なんのサポートもないのであれば、その分、マージンを減らして派遣スタッフに還元してほしいところ。割合が開示されれば、不当にマージンを取られる心配がなくなります。

雇用安定化措置について

3年間雇用される見込みのある派遣スタッフに関しては、派遣期間の終了後、その後の雇用に関する措置をとる必要があります。

例えば、派遣先の企業で直接雇用をしてもらうとか、別の派遣先を紹介するとか、派遣会社で直接雇用するといった措置です。ただ、1〜3年未満の派遣に関しては努力義務となっているので、必須ではありません。

そのため、将来的に直接雇用を希望している場合は、3年ギリギリで契約期間が切れるような条件での契約は注意が必要です。登録する派遣会社での、これまでの直接雇用実績を確認しましょう。

その他の制度については、宮崎労働局のこちらのページをご確認ください。

参考サイト：https://jsite.mhlw.go.jp/miyazaki-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudousha_haken.html

人材派遣会社へ登録して就業するための、手順についてご紹介します。

派遣会社に登録

派遣会社が人員募集を出している求人サイトを経由して応募するか、派遣会社に直接問い合わせて登録をします。

派遣会社では個人面接の場合もありますが、グループ面接や、登録会などが多いです。

すぐにでも就業したいという場合には、登録会で登録だけするのではなく、特定の求人に対して積極的に応募する方がいいかもしれません。

就業先の紹介・面接

登録すると、そこの派遣会社で紹介できる企業の情報が知らされます。その中から自分の希望にあったものを選び、派遣会社に「ここに応募したいです」と伝えます。

登録型派遣であれば、派遣先との面接などはない場合がほとんどですが、紹介予定派遣の場合は派遣期間終了後に直接雇用される可能性があるので、派遣先との面接が行われることもあります。

その場合はほとんどが個人面接で、グループ面接ではありません。紹介予定派遣の面接は、正社員の面接ほど厳しくはありませんが、応募者が多い場合などは不合格になることもあります。

また、登録型派遣、常用型派遣の場合は面接ではなく「面談」があることも。面談は、面接ではないので求職者を選別する目的ではなく、業務能力のすり合わせが目的となっています。

面談には派遣会社の担当者が同席することが義務付けられています。面談で合わないと思ったら就業を断ることも可能ですが、常用型派遣の場合は、会社によっては難しいかもしれません。

派遣スタッフが雇用されるのは派遣先の会社ではないので、派遣先の企業側が、面談後に就業を断ることは基本的にできません。

が、派遣スタッフを雇用する派遣会社が「この人は、ここに勤めるにはスキルが適していない」、「この環境ではやっていけそうにない」などの判断をした場合、面談後でも派遣が取りやめになることが稀にあります。

なので、面談すれば必ずしも働けるということではありませんが、正社員の雇用よりは門戸が広いと思っていいでしょう。

さてここまで人材派遣の仕組みや働き方などについて一通りお伝えしましたが、いざ仕事を探すとなったら、皆さんはまず最初に何から準備を始めますか？とりあえず求人サイトをのぞいてみる方、資格の取得に励む方、まだ何をしたら良いか分からない方などさまざまかと思います。

まず何をしたらいいか分からないという場合、当サイトではキャリアプランの作成をおすすめしています。今回はWEB上でアンケートをおこない、就職・転職活動の経験を持つ方にも意見を聞いてみました。

「仕事を探すにあたって、キャリアプランを作成しましたか？」という質問に対し、「はい」と答えた方は17％（344票）、「いいえ」と答えた方は83％（1656票）でした。さらにこの質問で「はい」と答えた方のみに追加の質問をおこないました。

「それは容易に作成できましたか？」という質問では、「はい」と答えた方は46％（158票）、「いいえ」と答えた方は54％（186票）と、ほとんど五分五分という結果になりました。

もちろんキャリアプランは必ず作成しなければならないもの、というわけではありません。キャリアプランを作成しなくても就職・転職活動が上手くいったよ！という方も一定数いらっしゃるはずです。

しかし何をしたらいいのか分からない・迷っている方にとって、キャリアプランを作成することは大きな意味があります。目標が明確になり、そのために何をすべきか分かりやすくなるためです。

人によっては「キャリアプランの立て方に不安がある」、「せっかくならプロと相談しながら立てたい」という時もありますよね…。そういうときこそ人材派遣会社の出番！プロに相談してしっかりと計画を立てれば、就職・転職活動もスムーズに進むはずです。

では今後のキャリアを相談するにはどんな会社を選べばよいのでしょうか？人材派遣会社を選ぶ際のポイントを下記にまとめてみましたので、そちらもあわせてチェックしてみてください！

実際に派遣スタッフとして働きたいと思った時に、大事なのは、派遣会社選びです。

「派遣会社なんかどうせどこも同じだろう」と思う方もいるかもしれませんが、全然違います。同じ派遣先に派遣されていても、派遣会社が違うと給与が違うこともあるくらい、違うんです。

「でもどうやって派遣会社を選べばいいかわからないし…」という方のために、派遣会社を選ぶ時のポイントについていくつかご紹介します。

コーディネーターの質

派遣会社に登録した後は、担当のコーディネーターの方とやり取りをすることになります。コーディネーターの方が適当な仕事をする方だと、希望条件と全然違う派遣先を紹介されたり、そもそも就業先を紹介してもらえなかったりします。

また、派遣スタッフとして働き始めてから、派遣先で何か問題が起こった時、派遣先と派遣スタッフの間に入ってもらうのも担当コーディネーターの方です。そういう時にきちんと対応してもらえないと、そのあと働きづらくなったり、問題が悪化したりしてしまうことも。

気持ちよく仕事を始めて、気持ちよく働き続けるためにも、自分が信頼できると思うコーディネーターの方がいるところで仕事をするのがいいでしょう。

福利厚生の充実度

派遣会社各社の福利厚生への取り組み方は、会社によって大きく異なります。2019年までは、派遣会社の方は基本的に「はけんけんぽ」に加入していましたが、加入者の高齢化などが原因で2019年に解散してしまいました。

それによって派遣会社は現在、別の保険協会へ加入しています。そのため、健康診断などの条件が以前とは少し異なっているので、「この派遣会社、以前はこうだったから大丈夫」と思わず、福利厚生についてもしっかり比較して検討するようにしてください。

福利厚生についてチェックすべきポイントはこちらです。

・年に一回、健康診断が実施されるか
・研修制度はどうなっているのか
・有給休暇の制度はどうなっているのか
・厚生年金保険、雇用保険、労災保険などの社会保険に加入できるのか
・介護休暇、育児休暇などの制度があるのか
・交通費の支給があるのか

他にも、趣味を充実させたいと考えている方は、提携している施設の割引があるかどうかなどもチェックしてみるといいかもしれません。

派遣会社によっては、スポーツジム、英会話教室、カラオケボックス、レストランなどと提携していて、割引を受けられることがあります。

仕事/案件の充実度

仕事や案件の充実度については、取り扱っている求人の数と、職種についてチェックします。

派遣会社は、会社によっては強みが違います。A社は事務職の派遣に強いけど、アパレル関係には弱いとか、B社は都心での派遣には強いけど郊外には弱いとか、そういう違いがあります。

例えば、自分の家の近くで事務職に就きたい、と考えている場合には、そのエリアのその職種に強い会社かどうかを判断する必要があります。

会社の規模が大きい方が案件数は多い傾向にありますが、それだけで判断することはできません。特に、宮崎のように企業と地域の繋がりが濃い場所では、地域密着型で運営している中小派遣会社の方が有利ということも。

全体の案件数も大事ですが、自分が希望しているエリア、職種での案件数を重視するようにしましょう。

研修の充実度

派遣会社によって、研修制度はさまざまです。パソコンなどについての研修が実施されたり、いつでも利用できるe-ラーニングで学習ができたりする会社もあれば、派遣スタッフとしての心得のようなものが印刷された紙を「読んでおくように」と1枚渡されて、それを「研修」と呼んでいるところも。

派遣スタッフとしてステップアップして、正規雇用を狙いたいとか、もっとできることを増やして未経験職種にも挑戦したい、と考えている人は特に、しっかりと研修を行なっている派遣会社を選ぶのがおすすめです。

自分には研修は必要ないなと思う方も、紙を1枚渡しただけで「うちは研修をやっています」なんていう会社は信用できないのでおすすめはできません。

研修がしっかり行われている会社同士で比較する場合は、研修をどこで受けるのか、e-ラーニングなどを利用して研修を自宅で受けることはできるのか、というところをチェックするといいでしょう。

「人材派遣とは？」「どういう種類がある？」というところから、人材派遣会社選びのポイントまでご紹介しました。

Uターンで宮崎での仕事を探している方や、結婚やIターンで初めて宮崎での就職を検討している方は、「宮崎で派遣スタッフなんてできるのかな…」と思う方もいるかもしれません。

でも、思っていたより派遣スタッフの需要はありますし、派遣先企業での直接雇用へ繋がる紹介予定派遣を取り扱っている派遣会社もあります。

ご自身の条件にぴったりの派遣会社を見つけて、気持ちよく就業をスタートしましょう！