紹介予定派遣ってどんなもの？通常の派遣との違いを確認しよう

派遣社員には、ほとんどの方が利用する派遣の他に、紹介予定派遣という働き方があります。一般的には登録型派遣が大多数なので、「紹介予定派遣」という言葉を聞いて興味を持った方も多いのではないでしょうか？そこで紹介予定派遣の特徴や、通常の派遣との違いを細かく見てみましょう。

登録型派遣や常用型派遣との違い

派遣の働き方には、紹介予定派遣だけではなく、登録型派遣や常用型派遣などがあります。どれも派遣会社を通じた働き方ですが、条件や派遣期間、働くまでの過程など、さまざまな違いがあるので選ぶ際は違いを把握しておきましょう。

■派遣先との直接雇用が前提

・紹介予定派遣
派遣先との直接雇用を前提とした派遣方法です。したがって、契約する際に「直接雇用前提」をしっかり明示し、派遣先事業所と派遣社員が共に同意しなければいけません。

・一般的な登録型派遣や、常用型派遣（派遣会社の正社員）
「派遣契約終了後に直接雇用」を前提にしない働き方、派遣期間は最長3年としています。

■派遣期間が短い

一般的な派遣の場合は、同一事業所同一組織で最長3年しか働けません。しかし、紹介予定派遣はさらに短い6か月、期間が終了すれば直接雇用に向けて話を進めます。もちろん、派遣先に入社できることが前提とはいえ、派遣期間中の仕事は当初定めた業務のみ、「将来、直接雇用になるのだから」といった理由でいろいろな仕事をさせることは契約内容に反します。

また、紹介予定派遣の期間はさらに短くすることが可能、双方の同意さえあれば6か月以内に直接雇用に切り替えられるようです。

■面接などが実施される

紹介予定派遣は、契約を交わす前に面接や書類選考などを実施します。通常の派遣（登録型や常用型）は、派遣先での面接などが禁止されているため、職場見学や仕事の説明しかできません。

しかし、紹介予定派遣は、派遣先にて面接や書類選考を実施し、直接雇用を前提にスタートするかどうかを見極めます。一般的な就職や転職と似たような選考があると考えておきましょう。

紹介予定派遣のメリット

紹介予定派遣は、「双方の合意があれば直接雇用になれる」以外にも、さまざまなメリットを感じる働き方です。

■派遣会社が窓口になる

直接雇用されるとはいえ、紹介予定派遣には不安がつきものです。たとえば、入社後の給料や福利厚生など事前に知りたいこともたくさんあるでしょう。とくに納得できない部分や不明な部分は、直接雇用される前に解決しておく必要があります。

一般的な就職や転職活動だと、こういった条件面を確認するのは本人ですが、紹介予定派遣の場合は派遣会社が本人に代わりさまざまな交渉の窓口になります。何か不安な点や疑問があるときは、派遣会社の担当者に伝えておけば代理で交渉してもらえるようです。「もともと交渉するのは苦手」という方には、メリットに感じる働き方です。

■派遣期間で職場を体験できる

一般的な就職や転職の場合は、実際に働いてから「こんなはずではなかった…」というケースも少なくありません。なぜなら、各事業所の公式サイトや面接時の職場見学で得られる情報はごく一部だからです。

しかし、紹介予定派遣を利用すると、入社する前に職場を体験できます。その期間に、仕事内容や職場の雰囲気など確かめられるため、雇用契約を結ぶかどうかの判断がしやすくなります。また、企業によっては、未経験者でもチャレンジできる場合もあるようです。

紹介予定派遣で働くときに覚えておきたいこと

紹介予定派遣は、前述したように多くのメリットがあります。しかし、直接雇用はあくまで双方の合意であり、雇用形態が変更になったり、そもそも直接雇用されなかったりする可能性も否定できません。

■直接雇用が確約されていない

紹介予定派遣は、「ようやく正社員になれる」と確信している方は要注意です。なぜなら、状況によっては入社できないこともあるからです。たとえば、派遣先が「今回は止めておこう」、もしくは派遣社員が「他を探そう」、さらには双方が「NO」となった場合は、直接雇用に向けた話はなくなります。

■直接雇用＝正社員ではない

派遣先に入社できるといっても、必ずしも正社員とは限りません。たとえば、契約社員からスタートというケースも有り得るのです。紹介予定派遣を利用する際は、「正社員なのか、それとも契約社員なのかといった雇用形態も必ず確認しておきましょう。

また、入社後の条件（給与など）は、派遣社員時と同じとは限らないので要注意です。どちらの契約も自分の目で、それぞれ確認する必要があります。紹介予定派遣を利用する際は、入社時の雇用形態（正社員や契約社員など）と一緒に、給与などの細かい条件も事前に確認しておきましょう。

紹介予定派遣は、企業への正社員や契約社員といった直接雇用を前提とした働き方です。直接雇用に関する交渉は、派遣会社スタッフが行ううえ、派遣として働きながら職場を確認できるメリットがあります。必ずしも直接雇用が約束されるわけではありませんが、いずれ直接雇用を目指したいと考えている方は、選択肢の一つとして検討してみてください。